法人設立の「定款」について
法人会社の憲法的部分である「定款」。
書かなければいけない部分や認証についてまとめましたので
しっかり把握しておきましょう。
●「定款」とは
法人設立するためには、「法人の憲法」たる定款を作成します。
定款とは、法人の目的・組織・業務などを定めた「法人の基本的ルール」
を記載した重要な書類のことです。
また、法人設立時の定款を原始定款といいます。
発起人が、これを作成し、公証人に認証してもらい、法人設立登記申請書に
添付して申請します。
定款に記載されている事項のうち、特に重要な一定の事項が登記され、
一般に開示されます。
定款は、法人設立後、法人総会の特別決議で可決されれば、
変更することができます。
しかし、登記事項を変更すると、その都度、変更登記申請を行わなければ
なりません。
そうなれば、手間とお金がかかるので、最初から慎重に決める方が
いいでしょう。
●「定款」に記載すること
1.絶対的記載事項
定款に絶対に記載しなければならない
• 法人の名前(商号)
• 目的
• 法人の所在地
• 法人設立に際して、出資される財産の価額又はその最低額
• 発起人の名前及び住所
以上の事項が法人定款に記載されていないと、その定款は無効となります。
2.相対的記載事項
記載しなくてもよいが、記載しないとその内容の法的効力が生じない事項
相対的記載事項は会社法にたくさん定められていますが、
代表的なものは以下のような事項があります。
1. 変態設立事項の定め(現物出資など)
2. 株式譲渡制限の定め
3. 種類株式の発行(無議決権株式など)
4. 株券の発行の定め
5. 株主総会、取締役会及び監査役会召集通知期間短縮の定め
6. 株主総会、種類株主総会の定足数、決議要件の法定要件と異なる定め
7. 取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人及び委員会の設置の定め
8. 非公開会社の取締役、監査役及び執行役を株主に限る定め
9. 取締役及び監査役の任期伸長の定め
10. 取締役会設置会社における中間配当の定め
3.任意的記載事項
記載をしてもしなくてもよい事項
任意的記載事項としては、たとえば以下のような事項があります。
1. 株主名簿の基準日の定め
2. 株券の再発行手続の定め
3. 定時株主総会の召集時期の定め
4. 株主総会の議長の定め
5. 取締役、監査役、執行役の員数の定め
6. 代表取締役の定め
7. 取締役会の召集権者の定め
8. 事業年度の定め
9. 公告方法の定め
●「定款」の作成方法
【書面による定款作成】
「発起人」(株式会社の場合)又は「社員」(有限会社の場合)が、
『書面』をもって「定款」を作成し、各「発起人」又は「社員」が、
『署名』を行います。
※なお、「商法中署名スヘキ場合ニ関スル法律」の規定により、
『署名』に代えて、『記名押印』でも可能となります。
この『記名押印』の場合の『押印』は、判例上、「実印」ではなく「認印」
でも可能とされていますが、『物的会社』(株式会社・有限会社)が、
「公証人」の『認証』を受ける場合には、「実印」による押印が必要と
されるため、注意をしてください。
【電磁的記録による定款作成】
『電磁的記録』による「定款作成」は、平成13年11月の「商法」等の改正
により、認められるようになった方法です。
「発起人」(株式会社の場合)又は「社員」(有限会社の場合)が、
『電磁的記録』をもって「定款」を作成し、各「発起人」又は「社員」が、
『署名に代わる措置』を行います。
ところで、『電磁的記録』はデータのため、「有体物」である「紙」の場合
とは異なり、物理的に、『署名』を行うことはできません。
そのため『電子定款』においては、『署名に代わる措置』として、
「電子署名及び認証業務に関する法律」に基づく、『電子署名』を行う
ことになるのです。
●定款の認証を受ける
「定款の認証」とは、法人設立に当たり定款を作成し、
作成した定款が正当な手続きによって成されたことを、公の機関が証明
することです。
定款の認証が必要な理由は、法人設立により作成された定款がその内容の
明確さを確保して、後日の紛争や不正行為を防止するためだとしています。
公証人の認証を必要とするのは、法人設立に際して発起人又は社員が作成
した定款(原始定款)です。
法人の定款の認証は公証人の権限とされていて、株式会社、
有限責任中間法人、社団法人の定款については、
公証人の認証を受けなければ定款は効力を
有しないものとされています。
定款の認証を行なう事務は、法人設立の本店の所在地を管轄する法務局
又は地方法務局の所属公証人が扱うとなっています。
管轄区以外の公証人が定款を認証してもその定款は無効となります。
定款の認証を受けることで、法人設立書類の不備や修正箇所が発見されると
定款を作り直すことになってしまいます。
ですので、定款に記載漏れがないか、不備がないかを確認することが
定款を作成する上での重要なポイントになってきます。
●定款の認証費用
【紙ベースでの定款の認証費用】
印紙税(収入印紙)・・・ 40,000円
認証手数料・・・・・・・50,000円
謄本手数料・・・・・・・1,250円
※「表紙」を除き「認証文」を含め「5枚」の場合
【合計金額】 91,250円
なお、「紙ベースの定款」の認証においては、
・公証役場保存用原本
・謄本(法務局への設立登記申請用)
・会社保存用原本
以上の「3通」の定款の認証を受けた後、『謄本』『会社保存用原本』の
「2通」の交付を受けることが一般的ですが、「謄本手数料(1枚 \250)」
の対象となるのは、あくまでも、『公証役場保存用原本』のみとなります。
【電子定款の認証費用】
※紙ベースの謄本の交付を受けない場合
認証手数料・・・・・・・・・・・50,000円
電磁的記録の保存料・・・・・・・300円
(「保存」を申請する場合)
【合計金額】 50,300円
なお、『電子定款認証』を行った場合には、「紙ベースの定款の謄本」の
添付を要せず、公証人の『電子認証』を受けた「定款データ」のままで、
法務局に対する「設立登記申請」を行うことができます。
もっとも、実務上は、「定款データ」をプリントアウトして添付しますが、
「定款」の内容が確認できればよいことから、「公証人の認証文」の付さ
れた「謄本」ではなくても、問題はありません。
★注意してください!!
ところが、設立に際して、『払込金保管証明』を銀行等の「保管証明機関」
に依頼する場合には、「定款データ」での取り扱いがないため、従来通り
「紙ベースの定款」を提示する必要があります。
さらに、公証役場で『電子認証』を受けた後の「定款データ」の
ファイルは、
・原本データ・・・ 『_PD』
・謄本データ・・・ 『_CP』
という特殊なファイルのため、専用のアプリケーションがないと開くこと
ができません。
もっとも、「拡張子」を『.pdf』に変えれば、通常のPDFファイルとして
開くこともできますが、このファイルは非常に壊れやすく、その後の修復
は、でききなくなりますのでお気をつけてください。
上記のような理由から、『電子定款認証』を行う場合でも、同時に
「紙ベースの謄本」の交付を請求する方が賢明でしょう。
【電子定款の認証費用】
※紙ベースの謄本の交付を受ける場合
認証手数料・・・・・・・50,000円
電磁的記録の保存料・・・・・300円
同一の情報の提供料・・・・・700円
書面の交付による加算額・・・・80円
※「表紙」を除き「4枚」の場合
【合計金額】 51,080円
●定款の認証費用の合計額の比較
紙ベースの定款の認証費用・・・・・・・・・・・91,250円
『電子定款の認証費用』(謄本なしの場合)・・・・50,300円
『電子定款の認証費用』(謄本 1通の場合)・・・・51,080円
なお、「設立登記申請」を行う場合の『登録免許税』については、
『電子定款認証』であるか否かを問わず、同一の金額が課税されます。
●『電子定款認証』のおススメ
上記のように、『電子定款認証』を行うことは、「設立費用の削減」に
つながるため、非常に有利です。
政府としては、『電子商取引』等を促進するため、当面の間は、
『電子定款』を「印紙税」の『課税物件』から除外し続けるとも
考えられます。
しかし、こうした「免税措置」がいつまで続くのかはわかりません。
そのため、免税措置が認められている間は、チャンスですので、積極的に
『電子定款認証』を活用することをおススメします。
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